懸案だった仙台市役所本庁舎の建て替え作業がようやく本格化する。1965年の完成後、78年6月12日の宮城県沖地震、2011年3月11日の東日本大震災という2度の大きな揺れを耐え抜いた市の本丸も、老朽化が激しかった。
 あと半月で6年になる震災を振り返ると、当時は新年度の予算を審議する市議会の会期中だった。各階の壁に亀裂が入り、崩れた内壁で砂煙のような白い粉が舞い上がる。全員、庁内放送に従って屋外に退避した。その後は行き場を失った多くの市民であふれ、議会の委員会室までもが避難所となった。
 強い余震から身を守る場所として本庁舎がふさわしかったかといえば疑問符は付くが、「何事も市役所が当てにされるのは無理もない話」とは当時の市幹部。
 建て替えに向け、市は17年度から毎年、26億円前後を基金に積み立てる方針。一大プロジェクトは今後、新庁舎整備計画の策定や基本設計、実施設計といった手順を経ながら進む。完成まで恐らくは10年程度。強度はもちろん、頼れる市役所に-。市民の誰もが願うだろう。(2017・2・23)