手書きの図に、家族と共にした時間や暮らしの営みが詰まっている。
 東日本大震災の津波で家を流された人から聞き、「間取り図」を描いて届ける「記憶の中の住まいプロジェクト」。宮城県建築士会女性部会の有志約20人が2014年から続ける。26軒分を贈った。
 2、3人で依頼者を訪ね、話をしながら図にする。花を植えた庭、お客さんがよく出入りした縁側といった逸話は字で表す。3、4カ月で1軒分を仕上げる。
 聞く側には当初、「つらい記憶に触れてしまうかも」とためらいもあった。依頼者の言葉には懐かしさと悔しさが入り交じるが、やりとりするうちに思いがあふれ、話が尽きないという。プロジェクト担当の西條由紀子さん(66)=仙台市若林区=は「間取り図に残すことで次世代の方々に伝えられる」と語る。
 女性部会長の星ひとみさん(60)=太白区=は「建築士として最もお手伝いできること。依頼のある限り続ける」。記憶を確かに刻み、次の一歩につながる贈り物になっている。連絡先は宮城県建築士会022(298)8037。(2017・2・27)