具の入っていないおにぎりがごちそうだった。食のありがたさが身に染みた東日本大震災。間もなく6年、教訓を胸に、仙台で食に携わる人たちに学んだ。
 あの日、太白区の自宅に備蓄していた乾物で命をつないだという国際薬膳食育師堀桃さん(57)。災害時に不足しがちな食物繊維を補える乾物を利用した手軽な料理、干し野菜作りを啓発する。
 今月上旬の料理講座では陳皮(ちんぴ)(ミカンの皮)や切り干し大根を使ったサラダを紹介し、「乾物は料理の幅が広い。湿度が低いこの時季に家庭で作り、保存してみては」と呼び掛けた。
 宮城野区の管理栄養士大河内裕子さん(68)は沿岸部の被災地支援を続ける。「ストレスで食欲のない人の気持ちをほぐすことも大事。炊き出しは意思の疎通を図る機会になったようだ」と語る。
 物流が途絶えて食糧不足に陥った当時を振り返り、「地域内で食を賄うネットワークの必要性を実感した。生産者や販売業者ら異業種の方とのつながりを大切にしたい」と心を新たにする。家庭で、地域で、食への備えの点検を。(2017・2・28)