突然の別れはショックだ。さくら野百貨店仙台店(青葉区)の運営会社がおととい突如、自己破産した。JR仙台駅前にある店舗には、告知の紙が貼られただけ。いつものように買い物に来た客は、驚くしかなかっただろう。
 流通事情は近年厳しさを増す。仙台駅周辺には新たな大型商業施設が開業。さくら野にあった人気ブランド店がそちらに移ったり、100円ショップが入ったり。百貨店としては寂しい状況だった。
 それでも開店を待つ人は毎朝のようにいた。前身の老舗「丸光」時代から通う客なのか、多くは高齢者だ。
 「百貨店らしさ」が薄れても、接客やサービスが庶民派だった丸光の親しみやすさを知る年代にとって、今も生活の一部という人は少なくない。
 さくら野として再出発した2003年以降、仙台市内の百貨店ではams西武、十字屋が閉店した。最終日は従業員が玄関に並び、最後の客を見送り感謝した。そんな感傷も許されない今回の別れ。顧客、取引先、さくら野関係者、それぞれの心中を思うと、やるせない。(2017・3・1)