春に誘われて仙台市青葉区の青葉通を歩くと、植えられたばかりのケヤキの若木が目に入った。高さは約9メートル。両側の歩道と中央分離帯に計13本、すらりと伸びた枝々の先に淡い色の新芽がある。
 市北道路建設課に聞くと、地下鉄東西線建設が行われた区間の車歩道の本格復旧に伴う植栽。大町西公園駅周辺に一昨年13本を植え、今回は第2弾という。
 青葉通のケヤキと言えば、ちょうど10年前、東西線建設計画に絡んで同市と市民の間で起きた「伐採か保存か」の論争を思い出す人も多かろう。仙台の戦災復興で植えられた杜の都のシンボルを、市側は当初、50本伐採する方針だった。
 反対を訴える市民5万人以上の署名が集まり、「伐採でなく一時移植を」と求める沿道住民の募金活動もあった。見直しを迫られた市は市民意向調査の末、伐採を27本にとどめ、17本を移植した。
 青葉通には年内に第3弾のケヤキの植栽が行われ、若木は計39本になる。「開発か、歴史・環境か」の論争は、市民がじかに参加した街づくりの遺産だ。復活するケヤキの並木を末永く育みたい。