今ごろが種をまく時季なのか。毎年のように「緑のカーテン」をこしらえる隣家から、朝顔を話題に年配夫婦が交わす会話が何とはなしに聞こえてきた。朝顔をはじめ、つる植物を使って涼を呼ぶカーテンづくりが、一大ブームとなったのは10年ほど前だったか。
 日差しや熱を遮るだけではない。われわれが汗をかくのと同じ働きもする。蒸散作用という。根から吸い上げた水分が葉から蒸発する際に周りの熱を奪う。ちょっとした「緑の滝」現象である。
 エアコンの使用が抑えられれば、立派な省エネであり、しかも植物を育てることで、地球温暖化を促す二酸化炭素を減らす二重の貢献策にもなる。
 朝顔の種は中国で古くから下剤などとして用いられ、わが国にも薬草として入ってきた。今も漢方薬だ。
 その緑のカーテンが温暖化防止にじわじわ効くのも当然か。この効用と努力の大切さを、この人にこそ味わわせたい。自国の利益第一で温暖化対策の国際的枠組み「パリ条約」から一方的な離脱を表明した、かの国の大統領に。
(2017・6・7)