米同時多発テロの遺族らが、震災の被災地を訪ね、住民らと交流したことがあった。避け難い災禍で傷を負い、身近な人を失った悲しみに暮れている。平和と安寧への祈り、寄り添い合う気持ちは、互いに通じたようだった。
 宮城県にとって6月は、3月と並んで防災の大切さをかみしめる月である。12日の「みやぎ県民防災の日」には各地で毎年訓練が行われ、過去の犠牲を思う。
 一方、差し迫った脅威になっているのが北朝鮮の弾道ミサイル問題。応急の避難訓練を行う自治体が日本海側を中心に増えてきた。きょうも酒田市で住民らが参加して訓練があった。
 もしミサイルが飛び交う最悪の事態になったら、身を守る手だてはあるのかどうか。でも命を大事にする意識は常に持っていたい。情報伝達の手順や避難場所の確認の備えは災害時と変わらない。
 争いであれ災害であれ、どんな国家も国民の犠牲を出したくはないはずだ。逃げずに済むならそれに越したことはない。そんな社会をどうつくっていくか。訓練の前に考えておきたい。