イワシの油煮と昆布のトマトソースあえ、昆布の焦がしチーズ焼き、ワカメたっぷりのパスタ、豚肉と昆布のカチャトーラ(猟師風煮込み)…。普段は海藻を使わないイタリアンに石巻の昆布、ワカメが加わり、新しい味が生まれた。
 仙台市青葉区のレストラン「パリンカ」の主人小関康さん(49)が創作し、店のメニューにしたコース料理の一つだ。
 イタリア料理には、海を越えて伝来した食材との融合の歴史があるという。「厚く硬い北海道の昆布と比べ、石巻の昆布はうま味で劣らず、調理しやすい。新しい冒険の味を楽しんでもらえたら」
 創作のきっかけは、東日本大震災の被災地である石巻市北上町十三浜を、特産の海の幸を食べて応援しようという活動だ。中心は雑誌「婦人之友」の宮城県の読者たち。今年3月に「三陸わかめと昆布 浜とまちのレシピ80」(同社刊)という本を作り、小関さんも参加した。
 「昆布のラザニア、茎ワカメとカキのアヒージョなどもいかがでしょう」。被災地の生産者と消費者も融合させようと、シェフの創作意欲は膨らんでいる。