略して「ひとぼう」。こんな呼び方をされる東西2棟の建物が、神戸市中央区に立地する。「人と防災未来センター」は阪神・淡路大震災の経験を基に、防災・減災のために必要な情報を発信する施設として震災7年後の2002年4月(東館は翌年4月)にオープンした。
 圧巻なのは、最初に案内される「1.17シアター」。再現した地震の衝撃や破壊のすさまじさを、大型映像と音響で体感できる。数多くの震災関係資料で復旧復興の道筋を学べるのも魅力だ。東館では、宮城県南三陸町や陸前高田市などの被災者を取り上げた東日本大震災の3Dドキュメンタリー映画を放映している。
 センターには、災害対応の現地支援や防災専門家の育成など大きく六つのミッションがあり、国際防災復興協力機構といった国内外の名だたる機関が入居する充実ぶりは、うらやましささえ覚える。
 にもかかわらず、東館(旧ひと未来館)は09年3月、入場者の低迷に伴い一時的に閉館した経緯があるという。天災を前に最も警戒すべきは、われわれの油断と無関心、風化にほかならない。