仙台市長選は23日の投票日まであと3日。国政の与野党対決の影響が及んでいるとされるが、本来重視すべきは4新人の政策だ。公報などを読む限り、心に響いてくる明確な言葉が見当たらない。
 例えば人口減対策。若者の定住促進や子育て支援充実などのフレーズが並ぶ。それもいい。ただ、仙台圏の一極集中と併せて考えるべき課題だ。首都圏への流出を防ぐ「ダム機能」を担うのか。東北の他都市と連携し「均衡」を図るのか。
 原発事故で古里に帰るに帰れない住民と向き合う福島県の自治体は今なお、人口問題以前の悩みの中にいる。仙台の未来を見つめつつ、東北を俯瞰(ふかん)する視点も政令市の首長には求められる。
 「帰還政策は、避難者の側に立って時間をかけて進めるべきだ」。そう言い続けている首都大学東京の山下祐介准教授の講演を先日聴いた。「誤った政策の押し付けで社会は壊れていく。言葉の力によって切り開いていかなければ」
 もう一度、街頭の訴えに耳を傾け、公報や新聞記事をよく読み返してみよう。力強い言葉が見つかるかもしれない。