生活の糧を得るために売る絵画を「パン画」と呼ぶ。自分が最高と思う作品が、必ずしも引く手あまたとならないのが芸術家の宿命。時に現実を優先せざるを得ないが、創作意欲との葛藤が続く。
 宮城県川崎町に窯を開く陶芸家相澤智美さん(58)は、理想の道に本格的にかじを切った。「職人の仕事」から「表現する仕事」へ。その熱情を結晶させた個展を8月1~9日、仙台市青葉区一番町1丁目のスタジオ1951で開く。
 題して「I氏の肖像」。世話になった亡き先輩への追悼の意を込め、長年、心の奥底に秘めていた前衛作品計8点を展示する。わざわざこの日時にしたのには訳がある。誕生日の数字などを組み合わせて選び、第一歩の記念とした。
 相澤さんは河北TBCカルチャーセンター講師で、猫をモチーフにしたかわいい陶器で知られる。今回は対極にあるような立体的なオブジェが並ぶ。「内面を吐き出すようなイメージの作品。鑑賞する人ではなく、自分のために造った」と言う。パンのみに生きるにあらず-。アーティストの「魂」に触れてみたい。