東日本大震災の被災地では多くの学校が避難所となり、地域の核としての存在を内外に示した。学校の問題が地域を揺さぶるのはそのせいに違いない。
 仙台市青葉区の折立中2年の男子生徒(13)が4月26日に自殺して3カ月。いじめを訴えていただけでなく、教諭2人からの体罰も発覚した。折立中を核とした地域の絆は弱まっただろう。
 同校の保護者らが先日、教諭2人の学校現場への復帰を求め、市教委に要望書を提出した。保護者や卒業生、在校生ら4416人分の署名簿と生徒らが折った千羽鶴が大越裕光教育長に手渡された。
 「体罰は許されないが、2人は熱心に教育活動をしていた。適切な措置をお願いしたい」。保護者の言葉に、市教委の担当者は目に涙を浮かべていたという。
 生徒と恩師の絆-と書きかけ、手が止まる。自殺した生徒と遺族はどう受け止めているのだろうか。地域から徹底した真相究明を求める声は上がらず、署名活動の動きもない。「きずな」から抜け落ちた仲間の「な」。「きずな」から「な」を抜くと、遺族の傷になるのでは…。(2017・7・29)