仙台市若林区荒町商店街の老舗文具店「幸洋堂」が、荒町市民センター向かいの店舗を7月末で閉めた。この場所に店を構えて約45年。シャッターに掲示された閉店を知らせる貼り紙を見て、一抹の寂しさに襲われた。
 ただ、そこには東七番丁に入って3軒目に新店舗をオープンさせるとある。旧店舗から70~80メートルと目と鼻の先。幸洋堂の社長で、荒町こころの学校長、町の駅・あらまち駅長など数多くの肩書を持つ出雲幸五郎さん(86)を訪ねてみた。
 ご本人は病床の中。それでも快く迎え入れてくれた。聞けば、体調を崩して5月に入院。自宅がある東七番丁での療養を機に、賃貸物件だった市民センター向かいの店を閉めることにしたという。
 キャッチコピー作りが大好きな名筆は「まだまだ口は達者だ」と言って、店の歴史や仕事が軌道に乗るまでの苦労話、街づくりへの情熱を聞かせてくれた。閉塞(へいそく)感漂う世情に対して抱く強い不満も。「元気がなければ、地方創生などかなうはずがない」。商店街の活気を支えたアイデアマンは、そう鼓舞した。