宮城を代表する海の幸、ホヤの漁期が間もなく終わる。東京電力福島第1原発事故後に続く韓国の輸入規制の影響で、今年も多くのホヤが廃棄処分された。
 「もったいないなぁ」。仙台市青葉区で和食店を営む東海林徳吉さん(69)が、残念そうに話す。各家庭でも消費拡大に貢献できるよと、殻付きホヤのおいしい食べ方を教えてくれた。
 殻はよく洗い、プラスの形の口を切り落とし、中の「ホヤ水」をボウルに取る。殻ごと半分に切って身を外し、排せつ物を取り除く。真水で身を洗うのはほんの数秒。一口大に切ったら、ホヤ水へ。
 山吹色の身は新鮮な証しだ。東海林さんの店で恐る恐る口に運ぶ転勤族も、次はぺろりと平らげるという。
 さっと火を通せば甘みが一段と増す。塩水と酒を煮立たせた鍋に、生の切り身を入れて火を止める。そのまま冷まし、滑らかな食感の残る半生の出来上がり。
 10年余り前、韓国バイヤーの買い付けでホヤが品薄になり、生を口にできない寂しい夏があった。今こそ、地元の旬を味わう喜びをかみしめたい。