天候不順で、出掛ける予定もないのだが、北海道の地図を見ていて道央部の「赤平市」という小さなまちに、ふと目が行った。かすかな記憶が反応した。
 元仙台市長の石井亨さんの出身地である。市政担当の記者時代、幾度も経歴を書き、覚えていた。中央官僚から宮城県職員、副知事となり、仙台市長に転身したのは33年前。7期目途中の革新市長、島野武さんの急逝で担ぎ出された。
 合併・政令市の実現、公共施設の整備などを次々と手掛け、100万都市・仙台の骨格を造った。国の政策や自治行政に通じた実務派だったが、市民に親しまれるタイプとは遠かった。1993年の辞職のいきさつは、今更言うまい。
 郡和子新市長が就任した。非自民勢力が後ろ盾ということでは、島野さん以来だ。ただ、自治体トップに党派色はなじまない。石井市政のような大胆な都市整備政策を振り回す時代でもない。
 モットーの「現場主義」を貫いてほしい。キャスター時代に培った発信力にも期待がかかる。市民のために体を張れるか。どの時代にも求められる気概である。