災害への備えに大事な「力」とは何か。「想像力」と答える人は多いはずだ。
 東日本大震災から丸6年となる今年3月、ヤフーは東京・銀座のビル壁面に高さ30メートル近い垂れ幕を掲げた。16.7メートルの位置で横に引かれた赤い線は、大船渡市で観測された津波と同じ高さ。「この高さを知っているだけで、とれる行動は変わる」と書かれていた。
 「震災の記憶の風化が叫ばれる中、一人でも多くの人に災害の脅威を想像してほしかった」と広報担当者。見上げる人々の心に焼き付いただろう。
 9月1日は防災の日。1年前は台風10号豪雨が岩手県を中心に甚大な被害をもたらし、今年は秋田県で大雨被害が相次いだ。6年半になる震災の被災地にはなお傷痕が残る。突如として牙をむく災禍にどう向き合うか。想像力が問われる。
 ヤフーの垂れ幕にはこうもあった。「被災した人たちの記憶に想像力をもらい、知恵を蓄えることができる」。身近な災害リスクを把握し、家庭や企業、地域で共に問いを重ねる。そのことで、風化を防ぐ力も培えると信じたい。