国家の基本法という意味で「憲法」という名を初めて使ったのは誰か。『法窓夜話』(穂積陳重著)によれば、明治時代の法学者箕作麟祥(みつくりりんしょう)だったという。欧米から取り入れた法制度に訳語を当てはめ、定着させた先人の労苦がしのばれる。
 ことしは日本国憲法の施行から70年の節目の年。9条に「平和」の文言を入れるよう力を尽くした元司法大臣鈴木義男(1894~1963年)も、間違いなく功労者だ。白河市生まれ。東北帝大教授、弁護士を経て、戦後は衆院議員となり、東北学院理事長も務めた。
 新憲法を議論する衆院小委員会のメンバーだった鈴木の主導で、GHQ(連合国軍総司令部)案にもなかった一節が追加修正された。「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し」という9条1項の冒頭部分である。
 改憲論が活発になる中、鈴木に光が当てられている。東北学院大は30日、仙台市青葉区の土樋キャンパスで、憲法学者らを招き、鈴木の足跡と共に平和の意味を考察する公開シンポジウムを開く。平和憲法の「源流」をたどってみたい。