郷里の役場から「空き地バンク制度に登録を」という書類が送られてきた。
 津波浸水地域のかさ上げと区画整理事業がやっと終わったが、予想に反し地権者に家を建てる気配がさっぱりない。遊休地ばかりで困っているらしい。
 それらの土地情報をオープンにし、売買や賃貸を促すのが目的。住宅建設の補助金制度と組み合わせて、何とか中心市街地の再生につなげたいと躍起だ。
 実家が流された後、わずかな宅地を相続したが、使途は「未定」と町に伝えていた。それが「空き地」になった。
 空き地の持ち主は、町内の別の所に住まいを求めた人もいれば、やむなく古里を離れた人もいる。家を建てたかったのに、今は見合わせている人が言う。「時間がたち、事情が変わってしまった」
 先祖から受け継いだ土地である。誰しも大事に扱いたいと思う。まちづくりに協力するために、ひとまず「空き地バンク」に登録するのも一つの策だろう。
 震災から6年半が過ぎた。秋祭りの頃である。彼岸には、少しずつ変わり始めたまちの様子を見に行ってみようか。