「駄目だね」と米大リーグ・マーリンズのイチロー選手。先日、意思表示があれば投球せずに敬遠四球となる新ルールを初体験、思わず駄目出しした。4球の間にある「空気感」がなくなるからと。
 1球ごとに球場の雰囲気は変わるし、投球が甘ければサヨナラヒットが生まれることだってある。そうした変化や劇的展開よりも「敬遠は決めたこと。4球も投げるのは無駄」と試合時間短縮を優先するのが最近の大リーグ流のようだ。
 このルール、日本では敬遠されよう。が、安倍晋三首相は「時短派」らしい。きのうの衆院解散劇。演説なし質疑なしは異例でも、時間の節約にはなった。「解散は決めたこと。演説も質疑も無駄」と言わんばかり。だが、そもそもなぜ国会を召集したのか。議論すべき事柄があったからではないのか。
 解散するためだけの召集なら国会を、主権者をばかにしている。それだけで国民に「駄目出し」されても不思議はない。空気感ならぬ世の中の「空気」がこれからどう変わるのか。新党を巡る野党再編劇とともに、目が離せない。