仙台市若林、太白両区に架かる愛宕橋下流の愛宕堰(ぜき)に流れ着いた古木が、周囲に似合わしいオブジェを形作っている。大雨で水量を増したときに広瀬川が織り成した造形物に、鳥が止まって羽を休めたり、小魚を狙う準備をしたり。
 登下校で目にするようになった地域の子どもたちは、その形状から「ビーバーの家」と呼んでいるそうだ。そうした心を和ませるのどかな光景の奥手に、自然の力を思い知らされる視界が広がる。
 愛宕橋と宮沢橋(若林区-太白区)の間にはかつて、とても大きな中州があった。長期にわたる測量、工事を経て6年前、ようやく川岸の寄り州と共に撤去を終えた。それが今、徐々に「復活」している。太白区側の寄り州は、撤去前をはるかに上回る規模に拡大した。
 中州や寄り州はウグイスやトンビ、キジ、ササゴイなど鳥類の楽園だった。他方、この近辺の広瀬川は蛇行が激しく、流量を確保してゲリラ豪雨や長雨に備える必要性もある。自然と防災。それを考えさせられる要素が、ビーバーの家の周りに凝縮されているように見えた。