米軍占領下の沖縄で、那覇市長や戦後初の衆院議員として圧政に立ち向かった瀬長亀次郎(1907~2001年)。波乱の生涯を描いたドキュメンタリー映画『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー』(佐古忠彦監督)が仙台市青葉区のフォーラム仙台で上映中だ。
 非人道的な軍用地接収、女性暴行など相次ぐ米兵の犯罪。「暗黒時代」の沖縄は人権も民主主義もないがしろだった。瀬長は反米の旗を掲げて基地を拒否し、祖国復帰の実現を求めた。県民の思いを代弁する演説に熱狂的な支持が集まり、会場は何万もの人々で埋まった。
 那覇市長在任中、圧力を強める占領軍が市の銀行口座を凍結すると、庁舎前には瀬長を助けようと納税に訪れる市民の列ができたという。弾圧に屈せず、島に尽くした政治家は民衆に支えられた。
 返還から45年、沖縄では米兵の事件が後を絶たない。先日は東(ひがし)村(そん)で米軍ヘリが事故を起こした。「一切の基地もない、核もない、平和で豊かな島として祖国に帰ることを願う」-。不屈のカメジローが望んだ未来がかすむ。