怒りに任せ軽はずみな行動に出て、しくじった人は多い。「真の戦上手は安易に挑発には乗らないもの」と、中国の思想家老子が諭している。理性と辛抱強さ。政治家や経営者には欠かせぬ資質だ。
 講談に『伊達の堪忍袋』という演目がある。幕府老中が催した宴で政宗と旗本の一人がトラブった。頭をたたかれた政宗。天下の一大事だが、慌てず騒がず。後で旗本を呼び出し「返礼に舞を一差し披露しよう」。さて、その真意とは-。
 六代目故宝井馬琴さんが得意にした話だったそうだ。仙台市在住のアマチュア講談師村田陸奥之介さん(62)に聞いた。東京の「宝井講談修羅場塾」という育成の場で芸を磨き、地域で活動している。
 29日に宮城県図書館の政宗生誕450年企画イベントで『堪忍袋』を演じる。政宗について「人の心を引き付けるセンスを感じる」と、芸道の人らしい評だ。
 政宗の広い度量と細心さを見てきたようにたっぷり語ってくれよう。その誇張の芸が講談の魅力。聞く側の腹構えも試される。16ミリ映画『伊達62万石』の上映もある。午後1時半から。入場無料。