都合の悪いことは重なるものだ。米カリフォルニア州で起きた山火事で、世界有数のワインの名産地が大きな打撃を受けた。本場の欧州は天候不順により、ブドウが記録的な不作だという。
 ワイン好きの心配のタネは価格の高騰だろう。ただ、輸入品が必ずしもベストとは限らない。国産のブドウのみを用いて国内で造られる「日本ワイン」の進化を、訪れた長野県の醸造所で実感した。
 畑で栽培するカベルネ・ソービニヨン、メルロー、ピノ・ノアールといった品種をその場で試食させてもらった。果肉の甘さ、酸味や皮の厚さなど実に多彩。その自然の恵みが凝縮された赤ワインは華やかな香りと果実味に富んでいた。
 宮城県内でも東日本大震災以降、ワイン造りが盛んになってきた。仙台市太白区秋保町、山元町にワイナリーがあり、名取市、大和町、南三陸町など5カ所でブドウ栽培が始まったという。
 11月16日にボージョレ・ヌーボーが解禁されるが、フレッシュさでは宮城産ワインも負けていないはず。地元の食材をさかなに、大いに飲んで応援したい。