夕暮れ時の仙台駅前。青葉通や愛宕上杉通のガス灯に、きょうも火がともる。1987年7月、仙台市地下鉄南北線の開業に合わせて設置されたから、満30歳になった。車の衝突で倒されたり、東日本大震災でガス供給が止まったりはしたけれど、まあ穏やかに過ごしてきた。
 誕生当時は「銅製の灯具がけばけばしい」という市民の声もあったそうだが、今は緑青に覆われ風格すら出た。117基を、仙台市ガス局が年3回、点検整備している。今月がそう。委託業者が脚立を持って回る。窓のガラスを拭き器具の安全を確認し、冬に備える。
 支柱にフラッグを飾る恒例行事も12月1日に始まる。仙台駅前商店街振興組合に255件のデザインが寄せられた。黄色地にガス灯、街並み、伊達政宗の騎馬像を配したものが選ばれた。
 政宗は、22基のガス灯のてっぺんにも載っている。<曇りなき心の月を先立てて浮世の闇を照らしてぞ行く>という辞世の句を思い出す。先を見通せぬのは現代も同じ。気持ちだけでもかくありたいと、オレンジ色の光を見上げてみる。