「仏教ボランティア」を掲げて実践する人たちがいる。現代にあって「菩薩(ぼさつ)道」を追求する。その運動の草分けになったのが公益社団法人シャンティ国際ボランティア会。「シャンティ」はサンスクリット語で「平和」「寂浄」の意味だ。僧侶も市民と共に活動する大きな乗り物(大乗)との思いが込められている。
 メンバーの一人で、東日本大震災の被災地で支援活動を続けている石巻市出身の臨床仏教研究家大菅俊幸さん(66)=東京在住=がこのほど、『慈悲のかたち 仏教ボランティアの思考と創造』(佼成出版社)を出版した。
 震災後、多くの被災者、出来事との邂逅(かいこう)があり、触発されたという。津波で全てを失っても「漁師革命」に挑む気仙沼市のグループ。福島第1原発事故の被害にあらがい、「脱受け身」の姿勢で南相馬市のまちづくりにまい進する人々…。
 大菅さんは数々の発見と思索を重ねる中で、「時代の苦悩に向き合って行動することが、今求められる仏教の姿」と思い至る。社会との関わりが弱いとされる現代仏教への問題提起ではないか。