冬に入り、寒さを口にすると、年配者に言い返された。「昔はもっと寒かった。五色沼でスケートができたんだから」
 仙台市青葉区川内にある五色沼は、日本のフィギュアスケート発祥地として知られる。1909(明治42)年、旧制二高(現東北大)の学生が、ドイツ人教師の指導で滑ったのが始まりだという。
 「ここでスケート?」と、今はぴんとこない人も多いだろう。冬に分厚い氷が張っていたのは、もう半世紀以上も前のことだ。気象庁のデータを見ると、仙台での昨年12月の平均気温は、90年前より4度も高い。五色沼は、地球温暖化の象徴的存在と言えるかもしれない。
 現在は工事のため、沼の水は抜かれた状態。水底のしゅんせつ、護岸整備、柵の新調、水門の修理を経て、来春、リニューアルした五色沼がお目見えする。
 工事を担当する市青葉山公園整備室の阿部正浩室長は、水門機能の改善で水量の調節が可能となり「水深を浅くすれば、冬は凍結しやすくなる」と語る。もっとも、スケートができるようになる、というわけにはいかないだろうが。