新聞記事は基本的に上から下へと読む。でも、当欄の右横にある『気軽にトーク』や左横の『何でもネーチャー』は左から右へと字が連なる。それはそれで紙面にアクセントを付けてくれる。
 一方、インターネットの世界は横読みが主流。通勤電車で向かい合わせた人たちを見れば、スマートフォンとにらめっこし黒目が横に行き来している。
 作詞家の故阿久悠さんは頑固一徹、縦書き派だった。その理由を「縦書きは1行ずつ、うなずきながら読んでいく。横書きだったら、全部顔を横に振って否定しながら読んでいく」と自著『ただ時の過ぎゆかぬように』に書いている。
 「北へ帰る人の群れは誰も無口で 海鳴りだけをきいている」。なるほど、『津軽海峡冬景色』は一語、一語かみしめるように編んだのだろう。名曲は聴き手をもウン、ウンとうなずかせる。
 仙台はきょう、空から雪の便りが届いた。「そういえば年賀状を片付けよう。縦書き、横書き、さてどっちがいいか」。そんな声が聞こえてきそうな冬景色である。年賀状の受け付けは15日から。