各地に広がる「子ども食堂」の名付け親は、2012年、東京都大田区に開設した近藤博子さんだという。社会活動家の湯浅誠さんの著書『「なんとかする」子どもの貧困』に記されている。
 湯浅さんは「大事なことは、子どもが一人ぼっちで食事しなければならない孤食を防ぎ、さまざまな人たちの多様な価値観に触れながら『だんらん』を提供することだ」と説く。
 仙台市太白区のNPO法人「おりざの家」が運営する週2回の食堂には多世代が集う。今月上旬、利用する小・中学生や1人暮らしの高齢者、支援ボランティアの大学生と主婦ら計約20人が夕げを共にした。献立は豆類や野菜中心の家庭料理。食後に一日の出来事を語り合った。
 理事長の佐藤宏美さん(56)は「誰かと一緒に食べることが肝心。昔の大家族で囲む食卓の雰囲気を味わってほしい」と話す。開始から1年が過ぎ、「人をつなぐ地域の食卓でありたい」と願う。
 きょうもどこかで心も満たす食が提供されていることだろう。<納豆にあたたかき飯を運びけり 村上鬼城>