戌(いぬ)年の初めに犬にちなむ言葉を幾つか。まず「戌笑う」。株式相場の格言で、市場が活気づき笑いが止まらないことを言う。大発会は記録的な高値をつけた。果たして格言通り勢いは続くのか。
 愛犬家にはよく知られた作者不詳の英国の詩がある。「子どもが生まれたら犬を飼いなさい」で始まる。「子どもが赤ん坊の時、子どものよき守り手となるだろう。…子どもが少年期の時、子どものよき理解者となるだろう。そして子どもが青年になった時、自らの死をもって命の尊さを教えるだろう」
 犬好きならずとも感じ入る深み。十数年間、一番の仲良しだった飼い犬が大学卒業前に死んだ。「もう動物は飼わない」と誓った心の痛みを思い出す。
 こちらは作者不詳の猫版。「猫が赤ん坊の時、あなたは猫のよきしもべとなるだろう。…猫は自らの死をもってあなたの心に猫型の穴を開けるだろう。その穴を埋めるには、また猫を飼うしかない」
 年末の記事で、犬の飼育数が猫を下回ったと知った。詩を比べれば、分かるような気がする。