「東日本大震災から間もなく丸7年。記憶を風化させないため、『あの日』を語り継ぐ文庫を活用してもらえたら」
 仙台市民図書館の村上佳子館長が呼び掛けている。震災を記録する書籍や資料を2011年5月から集めた「3.11震災文庫」が現在、約1万点に達した。新刊書だけでなく、個人の手記や文集、集会のチラシやDVDなど多岐にわたる。
 資料の収集に終わりはなく、時間との闘いという。「絶版になった書籍、作った当人も忘れてしまった活動記録、業界や協会がまとめた資料などは散逸するばかり。常に寄贈を呼び掛けています」
 震災を知らない世代や新しい市民も増えて、「収集した資料を、いかに読んでもらうかが次の課題になりました」。学校向けのお話会や貸し出しに力を入れ、仙台市政だよりに「3.11震災文庫を読む」と題する作品評の連載も始めた。
 期待するのは、これから生まれてくる本という。「本年度創設された仙台短編文学賞がそう。風化とは逆に、時が語らせる震災の記憶、新しい生き方もある。本とともに文庫も成長していけたら」