宮城県内で公立高の前期入試がきょう行われた。一方、私立高でも合格発表がここ数日あり、ほとんどの学校が通知を終えた。受験生やその家族にとって一喜一憂するとともに、神経をすり減らす日々がしばらく続く。
 受験シーズンになると思い出す逸話がある。王貞治さん(77)は高校進学の際、もともと都立両国高が第1志望だった。それが先生から安全圏の隅田川高を薦められて受験するも不合格になる。同級生の多くは「国籍のせいで落ちた」とうわさした。後に王さんは言う。「早実高に行ったからこそ野球やOBの荒川博さん(故人)との縁が強まった。公立に落ちてむしろ運が開けたように思う」と。
 脇に延びている道もある。道は決して一つではないということだろう。
 王さんの落胆と希望を紹介したついでに長嶋茂雄さん(81)の裏話にも触れる。英語の試験で「アイ・ゴー・トゥ・トーキョーを過去形にせよ」という問題に、「アイ・ゴー・トゥ・エド」と答えた。「自信があったんですがね」。信じた一本道を歩んだ、類いまれな人もいる。