なじみのクリーニング店で洗濯物を頼もうとしていた時。急に中年男性が割り込んできた。「引き取りなんで、こちらの方が時間がかからない。早くやれ」
 あっけに取られていると、今度は店員に罵声を浴びせた。「もっと丁寧に扱え、このクソばばあ」。はたから見ていても、ぞんざいだったとはとても思えない。平謝りの店員に「いろんな人がいますね」と慰めるしかなかった。
 客の悪質なクレームに悩まされる従業員が増えているという。産別労組「UAゼンセン」による昨年の調査では、流通業界で働く約7割が、来店客からの迷惑行為を経験していた。最も多いのが暴言で、長時間の説教や暴力、土下座を強要されるケースも。「迷惑行為が近年増えている」と半数が回答している。
 「セクハラ」「パワハラ」が騒がれているが、これでは「キャクハラ」ではないか。UAゼンセンは「サービス向上の努力は当然」としながら、「消費者も従業員も互いに尊重する健全な関係をつくりたい」と訴える。イライラは禁物、ハラハラさせても何の得にもなりません。