地域間のネットワークづくりと連携の実践がどれだけ大切か。東日本大震災で改めて分かったことの一つだ。
 仙台市宮城野区の福住町町内会を長年率い、地域防災に取り組む獣医師菅原康雄さん(70)。県外の町内会とも手を組み、相互支援の運動を広げてきた。
 その菅原さんからコメが届いた。約1キロの小袋には「放射性物質検査を実施した福島県産コシヒカリ」というラベルが貼られていた。知り合いを通じて会津地方の農家から180キロ取り寄せ、縁ある人たちに送っているという。
 「全量全袋検査をして問題がないのに風評はまだ払拭(ふっしょく)されていない。それなら一度食べてみてもらおうと」。そう思い立ち福島のコメをあえて選んだそうだ。
 会津産コシヒカリの売れ行きはこのところ復調著しいと本紙が先日、伝えていた。そのことと消費者が安全性を強く求めることとは別の話なのだろう。
 「まだ時間はかかる」。常に各地の困難を気遣い、連帯の意識を持ち続けている。踏ん張る農家と菅原さんの思いがこもるご飯を大事に頂いている。