「3.11 祈りのコンサート」が今年も11日午後2時46分に始まった。仙台市青葉区の電力ホールに聴衆約700人が集い、有志のオーケストラ、140人の合唱団によるモーツァルト『レクイエム』(死者のためのミサ曲)に浸った。
 「演奏会ではなく、東日本大震災の犠牲者を音楽で追悼する会。始まりと終わりに黙とうをし、一人一人があの日を思い、亡き大切な人のために祈ります」
 2014年の第1回から実行委員長を務め、自らチェリストとして毎年演奏をする医師高坂知節さん(81)は話す。
 震災後、副理事長をしていた仙台の大学で学生の安否確認に追われた。失われた若い命もある。「直前まで、死を思う人などいなかった。逝った魂、残った者が共に過ごす場が必要」と、祈りのコンサート開催を音楽仲間に呼び掛けた。
 本番では、被災地の学校で音楽を教える声楽家たち、仙台、盛岡、山形各市の合唱団員たちが歌った。高坂さんは20歳から親しむチェロを弾き終えて、「今年も心を一つにできた」と実感できたそうだ。第10回まで続けると決めている。