「3.11の記憶(メモリー) 連灯」が仙台市青葉区の仙台文学館で21日までと、23日~4月25日の2期にわたり開かれている。東日本大震災の犠牲者の鎮魂を願い、2013年に始まった展示だ。
 今年は河北歌壇選者佐藤通雅さんと、気仙沼市生まれの写真家佐々木隆二さんのコラボ作品が並んでいる。
 『連灯』は、佐藤さんが昨年の3月11日に刊行した歌集である。表題歌<万の死を悼みて朝はのぼるなり桜通りの連灯沿ひを>のイメージに合わせて佐々木さんがカメラで捉えた、街灯のほのかな光が魂のように浮かび上がる。「万の死」が、「桜通り」という名の場所と対照的で切ない。
 佐藤さんは、震災直後に<この春のサクラがどうしても思ひだせぬ咲いたか咲かなかつたかそのことさへも>と詠んでいる。あの頃は確かに植物に目を向ける余裕はなかった。
 あす21日は春分の日。鎮魂の時期を過ぎると、東北にサクラの開花期がまた巡り来る。今年は心穏やかに花をめでることができるだろうか。