東日本大震災の経験や教訓を若者に伝えようと記事にしても、そもそも学生の多くは新聞を読んでいない。ならばいっそ取材する側を経験してもらおうと考えたのが、河北新報社の大学生向け就業体験企画「記者と駆けるインターン」だ。
 1期は基本2週間。2012年夏に始め、17期を重ねた。地元のみならず全国から毎回20人前後が参加。津波被災地に案内し、語り部の肉声に触れてもらうなど、大学生と被災地をつないできた。
 体験の肝は「地元企業のいま」をテーマにした取材だ。3~4人一組の班ごとに取材先を見つけてアポを取り、出向き、聞いた話から重要な情報を選び、限られた字数で分かりやすく書く-。言葉にすれば簡単だが、一筋縄ではいかない。
 「記事1本にこれほどの労苦があるとは知らなかった」。体感すると多くが新聞ファンになってくれるのもありがたい。
 今月3日まで活動した17期14人の記事が29日、本紙夕刊紙面を飾る。彼、彼女らにとって震災も被災地も、おまけに新聞も身近になったと確信する。何の巡り合わせか、修了生は311人になった。