「今年の3月11日も、古里のことを思って涙が止まらなかった」。気仙沼市出身のシャンソン歌手公(こう)眞由美さんは、自分の人生をも変えた7年前の東日本大震災を、歌で乗り越えようとしている。
 仕事先の神奈川県で震災を知り、気仙沼に帰り着いたのは1週間後。小学生まで過ごした南町商店街の津波後の惨状に衝撃を受けた。自宅は無事だったが、同級生や親戚ら約20人が犠牲になった。
 「その年の11月、仙台市でリサイタルを予定していたけれど中止しました」。仙台の音楽家鈴木公也さんのシャンソン教室で学び、プロの道へ。2008年から毎年リサイタルを催し、大人のアルトの歌がファンを魅了した。が、「もう気持ちが前向きにならなかった」といい、一昨年から古里を離れる事情もあった。
 「自分を見つめ直して、歌える幸せを思い出した」。師匠の励ましもあり、今年から仙台で本格的に活動することを決心した。再出発の舞台は来月12日夕、同市青葉区の店「ミスターベースマン」のジョイントライブ。「9月には、4回目のリサイタルを実現したい」と願う。