弘前市出身の詩人・劇作家寺山修司の著書にこんな謎かけを見つけた。<同じ鳥でも飛ばない鳥はなあんだ? それはひとり という鳥だ>
 「ひとり」にしてはいけなかった、との思いを禁じ得ない。殺人罪などに問われた元名古屋大女子学生(22)=仙台市出身=の控訴審判決で、名古屋高裁が23日、弁護側の控訴を棄却し、無期懲役とした一審判決を支持した。
 元女子学生は仙台市の私立高時代、友人ら2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませたほか、2014年12月に名古屋市で知人女性=当時(77)=を殺害した。直後に仙台市内の民家に放火もしたという。
 父親は仙台北署に元女子学生が隠し持っていた薬物や凶器を持参し、相談していた。劇物被害に遭った男性は同じクラスの元女子学生の名前を挙げ、仙台南署に被害届を出していた。
 高校では白い粉を見せびらかし、教師に注意されていた。「人を殺してみたかった」と社会を震撼(しんかん)させる前に治療や更正に向け、支援する大人はいなかったのか。「ひとり」にした周囲の罪も重い。