「手はやめようね」。仙台市内のレストランで、小さい子どもに食べ方を教える母親の姿を目にした。息つく間のない子育ての苦労を思って想像を重ねるうち、ある調査結果を思い出した。しつけに伴う子どもへの体罰を容認する大人が6割近くに上ったという。
 公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(東京)が昨年7月、全国の20歳以上の2万人にインターネットで実施。「他に手段がないと思った時のみ」容認するとの回答が39.3%で「積極的にすべきだ」「必要に応じて」を合わせて56.8%だった。「決してすべきではない」という回答者も、しつけのため「お尻をたたく」「手の甲をたたく」のをそれぞれ4割以上が容認していた。
 体罰は世界53カ国が法律で禁じている。「子どもの権利を侵害し、どんなに軽くても許されない。なくすことが虐待予防にとっても重要」と担当者。国による啓発や法整備の必要性を唱える。
 大人たちに課された重い宿題だが、体罰を正当化する理由なんてないはず。愛に「ムチ」はいらない。