JR仙台駅前の仙台朝市は春の彩りが濃い。タラの芽やシドケなどの山菜が並んでいる。鮮魚店ではシラウオが売られていた。透き通った魚体がぴかぴか輝いている。「春告げ魚」とも言われる。
 シラウオと勘違いしやすい魚がシロウオ。シラウオは「白魚」と書くが、シロウオは「素魚」と書く。ちょっと戸惑うが、種類が異なる別の魚だ。
 シラウオはサケやマスの仲間で、背びれと尾びれの間にサケやマス特有の脂びれがある。一方、シロウオはハゼの仲間。体にぽつぽつと斑点が並ぶ。
 ぴちぴち跳ねる活魚をそのまま喉に流し込む「躍り食い」ができるのはシロウオ。シラウオはとても繊弱で、水揚げされるとすぐ死んでしまう。
 石巻市などの沿岸部ではかつて、春になると、シラウオ売りが朝に家々を回っていた。捕ったばかりの魚をおわんですくい取り、売って歩いた。
 そんな光景はとうの昔に失われてしまったが、シラウオは春の趣を感じさせてくれる。朝市で求めたシラウオは三杯酢で食した。ほのかな甘みが広がった。