茶封筒に「ヤッホー!」の文字。封筒を開けると、山の上で叫ぶ子どもの顔のような彫刻が出てきた。相模原市の彫刻家中野浩二さん(40)の展覧会のDMだ。ユニークな案内状に誘われるように、会場のギャラリーターンアラウンド(仙台市青葉区)を訪ねた。
 展覧会のテーマは「複製」。石こうの人体彫刻が並ぶ。一つの彫刻の顔や手足の表面を切り取り、別の人体にくっつけるなど、各作品が連動。「山びこが響くようなイメージを狙った」と中野さん。DMの彫刻は首の断面が人の顔のように見えたのでそのまま展示したという。
 岩手県洋野町出身の中野さんが彫刻を始めたのは高校3年の時。宮城県美術館で故佐藤忠良さんの彫刻を見たのがきっかけだった。「ブロンズという物質が動いて見えることに衝撃を受けた」。油絵を学んでいたが、彫刻に転向した。
 以来、人体の美を追求し続けた佐藤さんの後を追うように、人体表現に取り組んできた。佐藤さんは具象、中野さんは抽象と作風は全く違う。だが、どちらも見れば見るほど発見がある。15日まで。