「福島を風化させない益田市民の会」という住民団体がある。益田は島根県西部の人口4万7千ほどの小都市だ。
 福島第1原発事故の教訓を忘れまいと3年前に現地視察した市民らが結成。原発問題や防災の歴史を学んでいるという。「自分たちで意識して周りに伝えなければ」と会メンバーが語っている。
 以上のことは、先日送られてきた島根県の地方紙、山陰中央新報の記事で知った。同県には全国で唯一、県庁所在地に立地する島根原発(松江市)がある。関心は高いのだろう。9日には大きな地震があり、まさに「わがこと」になった。
 東日本大震災の風化が懸念されている。しかし、地震災害や原発に対する意識は私たちが考えている以上に、列島の隅々に根付いているようにも思える。
 熊本地震から間もなく2年になる。住まいの再建や応援職員の不足など、東北を追うように同じ課題に直面していると聞く。手を携え復興を前進させたい。
 山陰や九州のまちで、人々はそれぞれに災害と向き合っている。「風化はさせない」。そんな意気込みが心強い。