コミュニケーションの役割も果たすアートの力を発信したい-。仙台市青葉区の「東北リサーチとアートセンター(TRAC)」。市内の文化や福祉関係の団体が、せんだいメディアテークの委託で昨年7月から運営を担っている。
 東日本大震災、太平洋戦争の記憶、障害のある作家の展覧会…。多彩なイベントを繰り広げている。活動のコンセプトは「立ち上がりの技術」。災いや障害から立ち上がるための表現活動を調べ、そこに見いだした技術や作品、資料を公開している。
 「被災地と被災地の外、障害者と健常者をアートでつなぎたい」。代表の瀬尾夏美さん(29)が言う。東京芸大大学院で絵画を修め、震災の年、ボランティアで東北を訪れた。やがて東京から移住し陸前高田市を拠点に、現在の活動につながる作品制作を行った。
 その過程で「個人主義の価値観の中にあった自らを振り返り、協働の社会が人の心を豊かにする」と気付いたという。TRACが活力の種を育み、いろんな花を咲かせるに違いない。