桜の時季はあっという間にピークを過ぎ、あまりの早さに桜をじっくり楽しむ余裕がなかった人も多いのでは。そんな人は仙台市宮城野区の「TFUギャラリーMini Mori」で開催中の「東大寺・奈良を彩る花の襖絵(ふすまえ)展」を鑑賞してはどうだろう。
 日本画家の故小泉淳作さんが描いた桜が満開だ。東大寺に奉納した襖絵「吉野の桜」「しだれ桜」「本坊の桜」の3点。精緻な表現が臨場感にあふれる。
 絢爛(けんらん)豪華な襖絵を鑑賞していた名取市の佐竹みきえさん(65)は「絵の前にシートを敷いて花見をしたくなった」。
 小泉さんの自伝『我れの名はシイラカンス 三億年を生きるものなり』(日本経済新聞出版社)によると、襖絵を引き受けたのは80歳の時。五弁の花びらを1枚ずつ「賽(さい)の河原で石を積むように」描いた。当時、初期の胃がんが見つかり、一筆入魂の思いが強まった。そんな気迫が花びら1枚1枚に宿る。
 同じく東大寺に奉納した襖絵「蓮池」も展示。こちらは大輪の花が咲き乱れ、一足早い夏を楽しめる。5月27日まで。