横町がブームだという。戦後の名残をとどめる風景が若者たちを引きつけている。東京では、わざわざ人工的に横町をつくる動きすらある。
 仙台には横町が多い。壱弐参(いろは)横丁に文化横丁、東一市場、仙台銀座…。昭和レトロの雰囲気を醸し出す横町は若者にとって、デジタル化した暮らしの中で独特の魅力があるようだ。
 100店余りが並ぶ壱弐参横丁。協同組合の佐藤守彦理事長(53)が言う。「飲食店を出す若い店主が増え、お客さんの層も最近はずいぶん、女性や若者たちが多くなった」。イタリア料理やフランス料理のお店、ワインバー…。昔からの居酒屋などに加え、若い世代が新たな風を吹き込んでいる。
 夜だけではない。日中も若い女性が「なんか懐かしい」とカメラを手に巡る姿があるという。敗戦の焼け跡から出発したこの横町には、暮らしの匂いが濃密に残っている。「それが新鮮に映るんじゃないか」と佐藤さん。
 若者に負けてはいられない。今宵(こよい)はふらりと横道にそれようか。