仙台市内の小学校に転入してきた外国籍の児童が昨年の初夏、10カ月足らずで東京に転校した。表向きは外資系企業で働く父親の異動に伴う転出だが、本当の理由は違っていた。
 休み時間、トイレに行こうとすると何人かの同級生に邪魔をされた。「日本語しゃべれないくせに」と心ない言葉を浴びせられた。一度や二度ではない。いじめを心配した両親は、家族で仙台を離れる選択をした。
 韓国語と中国語を操り、英語と日本語を学ぶ優秀な児童へのねたみが、嫌がらせにつながったらしい。学校側がきちんと状況を把握し、適切な指導をしていれば、家族をここまで追い詰めずに済んだのではないか。そう考えると、非常に残念な思いがする。
 市教委と市は4月、昨年度に行った体罰に関する全市立学校の調査結果を発表した。体罰は49件、暴言などの不適切な指導は238件。ただし、この数は児童生徒や保護者の申告で学校側が確認した件数にすぎない。水面下には、数字に表れない、見過ごせない実態もある。