東京・豊洲新市場問題は、都が汚染土壌と知りながら、東京ガスから用地を買ったことが発端だ。建物の基礎など地下埋設物も多くあり、土壌対策の遅滞や経費拡大など影響が懸念された。それでも都は、既定路線を構わず走った▼何か似ている。大阪府豊中市の国有地売却問題。買い手は民間の学校法人で、豊洲とは逆パターンだが、こちらも地中に多量のごみが埋まっている厄介な物件だった。結果を急ぎ、強引に取引を進めたのではないか。きしみは後になって現れる▼国有地は、ごみの撤去費用分として国が大幅に値引きし、破格の安値で売った。その算定根拠が明瞭でない。一部でしか行っていないとされる撤去の実態すら国は未確認。どう見てもずさんだ。会計検査院が一連の経緯を調べる方針という▼この土地に開校予定の小学校の名誉校長は一時、安倍首相の妻昭恵さんだった。寄付金集めに自らの名前を使われた首相は「抗議し、謝罪があった」とし、土地売買については「私や妻は一切関わっていない」と断言する▼首相夫妻も巻き込んで目的の達成になりふり構わず突き進む人、それに手を貸す人もいたのかもしれない。子どもたちが通う学校だ。なぜ環境整備に細心の気遣いをしないのか。生鮮食料を扱う豊洲とやはりダブる。(2017.2.26)