きょうは五節句の「上巳(じょうし)」。ひな祭りである。ひな飾りの6段目は嫁入り道具。たんすの飾りひもが「総角(あげまき)結び」になっている。結び目が「入」「人」に見える2通りあり、前者はお金や成功を望む場合、後者は命を守る場合に使う。だから、たんすは入型、五月人形のかぶとの緒は人型で結ぶ▼2020年の「復興五輪」と被災地の結び目が、東京都や大会組織委員会のそれとは異なるようだ。岩手、宮城、福島の被災3県42市町村長を対象にした河北新報社のアンケートで、54%が「被災地の復興に役立つかどうか何とも言えない」と答えた▼市民の感覚も同じようだと思う。そもそも東京招致は復興五輪の理念で始まったはず。それを小池百合子都知事が思い出させてはくれたが、ボート競技会場見直しに振り回されたころから、もつれ始めた▼被災地の姿を世界に発信するのはいいが「具体策が見えない」と首長たち。五輪旗を持った小池知事が被災地を巡っても、復興が「入」のためのキャッチフレーズになっているようでは本末転倒だ▼ひもの伝統的な装飾結びに「梅結び」がある。1本のひもで五つの輪が花のように出来上がる縁起物。国、都、組織委、競技団体、そして被災地が思いを一つに結び付けないと、3年後の大輪はあるまい。(2017.3.3)