1736年といえば日本は江戸中期。8代将軍徳川吉宗の世で、享保の大飢饉(ききん)のころだ。英国に、その年にできた法律が1951(昭和26)年までの約200年間生きていた。魔女を禁じる法律「アンチ・ウィッチクラフト法」。おとぎ話ではない▼この法律の撤廃がフェミニズム運動につながったと、評論家海野弘さんが『魔女の世界史』に書いている。それから半世紀がすぎ、ようやく「魔女法」を廃止した世界がある▼英スコットランドのゴルフクラブ「ミュアフィールド」は、1744年創設の名門。今月、ついに女性会員の受け入れを発表した。男性限定を理由に昨年、全英オープンの候補地から外された。それが見直しのきっかけだったようだ▼日本でも20日、2020年東京五輪の会場となる霞ケ関カンツリー倶楽部(くらぶ)(埼玉県川越市)が同じ決定をした。「五輪とは関係なく将来的に考えて女性に道を開くことにした」そうだが、国際オリンピック委員会の要請がなければどうだったか▼背広の語源ともいわれるロンドンの通り「サビルロー」には、高級紳士服の仕立屋が並んでいる。男社会の街に一昨年、初めて女性テーラーが店を出した。評判がいいらしい。魔法とは変化を恐れる人たちの方便。解けてしまえばどうってことはない。(2017.3.23)