祭り囃子(ばやし)の山車(だし)を英語でバンドワゴンという。にぎわいに人が集うように、「勝ち馬」への期待が膨らむ現象をバンドワゴン効果と呼ぶ。昨年11月の米国の新大統領誕生で起こった「トランプ相場」がそう▼雇用増大、企業減税、規制緩和などを公約にしたトランプ大統領に投資家たちが期待。空前の活況が生まれたが、株価は一時急落。バブルはしぼんだ。選挙でロシアの応援を受けたとの疑惑が深まったからだ▼公約実現どころか「来年トランプ氏がまだ米大統領であるかどうか疑問が膨らんでいる」と米ウォールストリート・ジャーナル紙が先日、投資戦略の専門家の話を伝えた。「米経済を上向かせる能力がないかも」という市場の冷めた見方も▼新たな捜査が迫り、米議会も大揺れの中、トランプ氏は中東に外遊。イスラム国(IS)やテロに苦しむ近隣の指導者を集め「善の力の団結で悪に勝利を」と力説した。国政が危ういと外に正義を掲げ、挽回を狙うのが権力者の常。「米国第一」と構えていられなくなった▼テールリスクなる市場用語もある。確率は低いが大損失となる危険だ。森友学園問題などが安倍政権を不安定にするリスクを投資家が計算し始めた、との記事で知った。こちらは東京五輪に続き改憲という新たな囃子も響き始めた。(2017.5.23)